ina takayuki

LITTLE HUGE -ちいさい おおきい-

人生は長い様で短く、短い様でとても長い。
気が付かなくても、自分の後ろには長い道程が積み重なっていて、
前を向いても、やっぱり長い道がどこまでも果てしなく続く。

言葉で表現出来る気持ちは多い様で少ない。
今日感じた「素敵」は、明日感じる「素敵」とは絶対違うハズだ。
大きいのか、小さいのかは、近くでは分かりづらく、
遠くに行き過ぎても実像はぼんやりと分からなくなってしまう。
見えるモノなんてそんなモノだ。

その時、感じた小さい気持ちがいつの日か大きくなっていく事も、
永遠だと感じた悲しい気持ちも小さくなる。
人の気持ちなんてそんなモノだ。

大きくて気の小さいライオン。小さくても凶暴なネズミ。
モノの本質によって、見え方はどんどん変化する。
優劣は大きいか小さいではない。
正義や価値は決して大きさだけではないハズでしょう。

子供のような大人。おもちゃのピストル。頭でっかちな子供。無邪気な大人。
小さくて、でも大きくて、かっこよくて、でもかっこ悪くて、高いようで低く、
固そうで柔らかい。

絵も服もソファも受け取り側次第で、とても高価なモノだったり、無駄だったり、 人生に大きな意味を持ったり、生活には不必要だったり。
その価値観はどのタイミングや場面で180度変わるかなんて本人にも分からない。
素敵なモノだと信じて創るモノを、素敵だと自信を持って提供したい。それだけ。

素敵な空間で素敵な人と、素敵な出会いが出来ることを楽しみにしている様に、
来る人は素敵なモノに出会うことを楽しみにしてくれることに違いない。
モノの価値観は少し首を傾けただけで変化してしまうアンニュイでアンバランスな生き物。